2020年に設立されたTeNは、「そのアイデアを実現する場を作る」という使命の一環として、オンラインマーケティングとメディアコンテンツを制作しています。最近では、自社で開発したLandingHubというプラットフォームを使って、読み込みが速くスムーズに稼働する顧客Webページを作成し、顧客のコンバージョン率改善とコスト削減を実現しています。
LandingHubは、独自の画像処理技術とデジタルコンテンツ管理アーキテクチャを使って顧客のランディングページの表示速度を改善する日本初のサービスです。ここ数年、LandingHubはTeNの売上に多大なインパクトを与えており、収益性を高める適切なインフラストラクチャを見つけることが重要な優先事項となっていました。
TeNは、AWSが提供するコンテンツ配信ネットワーク(CDN)、オブジェクトストレージ、サーバーレス機能を使ってLandingHubを構 築しました。LandingHubはランディングページの表示速度改善とコンテンツの効率的な配信に役立ち、収益性向上に貢献しました。しかし、最近の円安で日本のIT業界全体で価格が上昇し、これがLandingHubの利益率に明確な影響を及ぼしました。
また、AWSの既存ソリューションを使っていた時に、コアビジネスアプリ機能がセキュリティ対策より優先されがちで、セキュリティ対策は実際の攻撃が検知されてからデプロイされてきました。当時、TeNチームはまだ大きなセキュリティインシデントは経験していませんでしたが、よりプロアクティブに自社のインフラストラクチャおよび顧客のデジタルコンテンツを保護したいと考えていました。
AWSのコストが上昇したため、TeNチームは他にLandingHubをサポートするサービスがないか検討しました。CloudflareがAWSと同様の機能を提供していることはすでに認識していました。そこで、AWSと併行してCloudflareのFreeプランを試し、両ソリューションの評価を行いました。 AWSサービスの値上がりが続いたため、TeNはCloudflareを全社的に使用することに決めました。Cloudflareのプラットフォームには、魅力的な料金設定に加えて、運用コストの低さ、包括的な監視、柔軟なキャッシュルール、合理化された管理など、いくつかの優位性がありました。
TeNチームは当初、AWSから移行する際に予期せぬ問題に直面することを危惧していました。しかし、Cloudflareの万全の準備と迅速な支援のおかげで、移行はスムーズに進みました。「Cloudflareは素晴らしい製品だけでなく、PoCから移行の完了まで終始 包括的なサポートを提供してくれました。」(工藤氏)
Cloudflareに移行することでコンテンツ配信コストが削減されただけでなく、運用コストも削減できました。TeNは、”Day.2運用”からトラフィック分析の視覚化を強化することができました。標準的な監視機能でトラフィックの傾向をしっかり制御できるようになったことで、全体的な運用負荷を軽減できました。
「LandingHubの運営上、キャッシュされたコンテンツを削除したいと思うことがありましたが、AWSはそのたびに課金するので、無闇に削除することはできませんでした。」と、TeNのLandingHubプロダクト責任者、工藤氏は述べています。「Cloudflareのキャッシュは、転送されたデータの量とリクエスト数に基づいた課金体系であり、APIによるキャッシュの削除は課金対象外となります。その結果、LandingHubの運営に最適なキャッシュ管理システムが実現しました。」
TeNチームは運用を簡素化しながら、統制を強化することができました。「Cloudflareは、Cache-Controlのキャッシュルールで柔軟性を高めています。また、UIは実に直感的で、本当に素晴らしいです。」(工藤氏)
Cloudflareを水平展開することで、TeNはセキュリティを強化することができました。LandingHubは大きなセキュリティインシデントは経験していませんでしたが、TeNチームは将来の攻撃を防ぐためにセキュリティポスチャを強化する必要があることを認識していました。
潜在的な脆弱性に対処するために、TeNはCloudflareの高度なDDoS攻撃対策と、Webアプリケーションファイアウォー ル(WAF)とレート制限機能を備えた高度なアプリケーションセキュリティを実現しました。
「Cloudflareのサービスを導入することで、当社のセキュリティは大幅に向上しました。Cloudflareを導入する前は攻撃の兆候を検出してから対策を導入していたため、未知の脅威に対する備えは不十分でした。現在は未知の脅威に対して能動的な保護を適用できるようになりました。」(工藤氏)
Cloudflareのセキュリティサービスは、チーム固有の要件に応じて保護をカスタマイズできます。「セキュリティを優先しながら、ルールごとにアクションを上書きできるようにしているのがとても気に入っています。デフォルトで保護されながら、ニーズに合わせて微調整できるようになっているのです。同様に、WAFには複数の管理ルールオプションがデフォルトとして付いていますが、追加ルールをより柔軟に定義し、必要に応じてアクションを調整することもできます。」(工藤氏)
TeNはLandingHubの新機能の開発生産性を高めるため、AWS LambdaとS3から、Cloudflare Workersのサーバーレス開発環境とCloudflare R2オブジェクトストレージを備えたCloudflare開発者プラットフォームへ移行しました。
「Workersのドキュメントから、開発からリリースまでのワークフローを理解できました。AWSでLambdaを使っていた頃は、まず必要なメモリ容量とCPU性能を見積もる必要がありました。そのためには、まずトラフィックを監視し、基本的にはキャパシティ計画を行う必要がありました。しかし今は、Workersがスケーラブルなアーキテクチャを提供し、リクエ スト数とCPU処理時間に基づくシンプルな料金体系になっています。デプロイに必要なリソースのボリュームを決定するなど、キャパシティプランの手順を踏む必要がなく、素晴らしいと思います。」(工藤氏)
その結果、TeNチームは、顧客サイトのパフォーマンスを向上させる新しいアプリ機能の提供を加速することができます。本番環境でアプリの問題が起こることも少なくなりました。
「デプロイの速度が劇的に向上しました。AWSでは、AWS環境に新しいソースコンテンツをデプロイできるようになるまでに10~15分ほどのリードタイムが必要でした。また、ローカルで動作しているものがサーバーにデプロイされたとたん壊れるというケースもありました。Workersを使えばわずか数分でデプロイでき、サーバーアーキテクチャやリソースについて考える必要もありません。アプリに変更を加える際にあった多くのバリアを取り除くことができました。」(工藤氏)
TeNではCloudflareへの移行を完了し、現在はWorkersの追加機能やCloudflare for SaaSの利用に関心を持っています。Cloudflare for SaaSは、現在のSaaSアーキテクチャをマルチテナントバージョンへと拡張するもので、TeNの継続的なカスタマーグロースをサポートできます。次のフェーズでは、WorkersのBrowser Rendering APIを使ったサービスの定期的パフォーマンス評価、Workers AIの実装、Workers Logsの活用も検討しています。
TeNチームは、この先もCloudflareが頼りになるパートナーであると認識されています。 「国境を越えたグローバルチームという複雑さにもかかわらず、Cloudflareは当社のビジネスリクエストに柔軟に対応してくれ、とても助かりました。今後もこのパートナーシップを土台として発展させていくのを楽しみにしています。」(井上氏)
利用開始
リソース
ソリューション
コミュニティ
サポート
会社